「B型→A型→一般就労」の順に進まないといけない?答えはNO|みらコラボが一人ひとりの可能性を信じて、一般就労への道を一緒に探す理由

就労継続支援B型、A型、そして一般就労。

障害福祉サービスを調べていると、この3つが階段のように並んでいて、「B型で慣れたらA型へ、A型で慣れたら一般就労へ」と一段ずつ上っていくもの、というイメージを持つ方も多いと思います。

でも実際は、B型からA型を経ずに、一般就労へ進む人もたくさんいることを知ってましたか?

みらコラボでは、本店である国場事業所が誕生した2023年4月から、これまでに18名の方が就職へ進みました。そのうち、A型を経由した方はゼロ。全員がB型の事業所から、そのまま一般就労へ進んでいます。

この記事では、「B型→A型→一般就労」の順に進まなくてもいいこと。そしてみらコラボがなぜ「B型から一般就労へ」という道を応援しているのかを、実際の数字と現場の取り組みからお伝えします。

記事内の数値は2026年10月時点のものです。掲載している写真は、利用者さんのプライバシーに配慮して、お顔などを一部加工しています。

「一般就労」ってどういう意味?

福祉の分野でよく使われる言葉で、企業やお店、役所などに雇われて働くことを指します。正社員だけでなく、パートやアルバイトも含まれます。A型やB型のように、障害福祉サービスの中で働く「福祉的就労」と区別するための言葉です。

「B型→A型→一般就労」の順に進まないといけない?

まずは、制度のおさらいから。

働くことに向けた障害福祉サービスには、主に次の3つがあります。

働くことに向けた、主な3つのサービス

サービスどんな場所?雇用契約利用期間
就労継続支援B型雇用契約を結ばずに、自分のペースで働く場所。作業に応じて工賃が支払われるなし決まりなし
就労継続支援A型事業所と雇用契約を結んで働く場所。最低賃金以上の給料が支払われるあり決まりなし
就労移行支援一般企業への就職を目指して、働くための知識やスキルを身につける場所なし原則2年

出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」「障害者福祉施設における就労支援の概要」

この3つは、どれかを順番に通らないといけない、というものではありません。

B型からA型へ移る人もいれば、B型から直接、企業に就職する人もいます。就労移行支援を利用してから就職する人もいますし、もちろんA型からの就職もあります。

B型からの「次の場所」は、ひとつじゃない

B型→A型→一般就労
B型→就労移行支援→一般就労
B型―――――→一般就労みらコラボで一番多い道

ちなみに2025年10月からは、「就労選択支援」という新しいサービスも始まりました。新しくB型を利用する方は、原則としてこの支援を最初に受けて、本人の希望や得意なこと、働き方の合う・合わないを一緒に整理してから、利用するサービスを選ぶ流れになっています。

国としても「決まった順番にステップアップしていく」よりも「一人ひとりに合った道を選ぶことを大切にしている」という方針だと私たちは捉えています。

出典:厚生労働省「就労選択支援について」(社会保障審議会障害者部会 第145回資料、2025年1月)

みらコラボの「次の場所」で一番多いのは、一般就労

では、みらコラボでは実際にどうなっているのか。これまでの数字をまとめてみました。

みらコラボから「次の場所」へ進んだ方(これまでの累計)

  • 一般就労(就職):18名 ※すべてB型の事業所から
  • A型事業所への移行:6名
  • 就労移行支援への移行:1名

就職した18名は、全員がB型の事業所からそのまま一般就労へ進んだ方です。A型へ移った方の3倍にあたります。

そして、就職する方は年々増えています。

みらコラボから一般就労へ進んだ方の数(年ごと)

年2024年2025年2026年(10月時点)
一般就労1名4名13名

※「年度」ではなく、1月〜12月の「年」で数えています。

みらコラボから一般就労へ進んだ方の数を年ごとに示したグラフ。2024年は1名、2025年は4名、2026年は10月時点で13名。すべてB型の事業所からの就職で、累計18名

就職先は、市役所、販売、警備、事務、飲食、工場作業、ドラッグストア、ホテル清掃など、本当にさまざま。パソコンを使う仕事もあれば、体を動かす仕事もあります。

開所してまだ間もない事業所もあるので、この数字はこれからも少しずつ増えていくはずです。

なぜ、A型を経ずに一般就労を目指すのか

理由はシンプルです。

一人ひとりの可能性を信じているから。

「B型の次はA型」と決めてしまうと、本当はもっと先に進める人の可能性を、こちらが勝手に小さくしてしまうかもしれない。みらコラボは、それをしたくないという思いを持っています。

みらコラボのB型事業所では、データ入力やリサーチ、動画編集、SNSの運用など、パソコンを使った仕事が中心です。国場本店や那覇市三原の事業所では、企業から受けたパソコン作業を事業所の外で行う「施設外就労」にも取り組んでいます。

B型であっても、社会に出て働くときに通じるスキルや経験は、ちゃんと積み上げていける。だからこそ、「次はA型から」と決めずに、一般就労も選択肢に入れて考えられるんですよね。

みらコラボ札幌新川西の事業所で、利用者さんたちがテーブルを囲んでノートパソコンで作業している様子
パソコンを使った仕事が中心です(札幌新川西)

もちろん、A型が合う人もいます。

雇用契約を結んで、決まった時間に働くことに少しずつ慣れていきたい。そう考える方にとっては、A型はとても良い選択肢です。実際に、みらコラボからA型へ進んだ方もいます。

大切なのは、どの道が正解かではなく、その人にとってどの道が合っているか。「B型の次はA型」という決まった順番に当てはめるのではなく、一人ひとりの希望や得意なことを見ながら、一緒に考えていきます。

無理はさせない。伴走しながら「その人の次」を探す

『可能性を信じる、なんて言われると、急かされそうで不安…』

そう感じた方もいるかもしれません。

先にお伝えしておくと、みらコラボは誰にでも就職を勧めるわけではありません。就職への道を一緒に探すのは、「社会に出て働きたい」という気持ちがある方。そして、働きたい気持ちはあるけれど、社会に出ることに不安を感じている方です。

そういった方とは、こんなふうに一歩ずつ進んでいきます。

みらコラボの、就職までの伴走

  1. 1「好き」や「得意」を見つける毎日の作業の中で、楽しいと思えることや得意なことを、スタッフと一緒に探します
  2. 2得意を伸ばしながら、幅広くスキルアップ見つけた「好き」や「得意」を軸にしながら、働くうえで必要な力も少しずつ身につけていきます
  3. 3一緒に求人を探す定期的に時間をとって、スタッフと一緒に求人を見ていきます
  4. 4面接の練習話し方や伝え方を、本番の前に一緒に練習します
  5. 5企業を一緒に訪問スタッフも同行して、企業の方と話しながら条件や働き方を詰めていきます
  6. 6見学・体験企業の了承をいただければ、職場の見学や体験も行います
  7. 7就職後も連絡を続ける就職して終わりではなく、定期的に連絡をとり続けます

ひとりで求人を探して、ひとりで面接に行く。それが不安で一歩が出なかった方も、隣に誰かがいれば、進める距離は変わってきます。

みらコラボ那覇市楚辺の事業所で、パソコン作業をする利用者さんの横に立ち、スタッフが画面を見ながら声をかけている様子
スタッフが隣で、一緒に画面を見ながら進めます(那覇市楚辺)

特に、企業の方とスタッフが直接話をすることは想像以上に大きな意味があります。どんな仕事をするのか、どんな配慮があると働きやすいのか。本人だけでは言いにくいことも、スタッフを交えた対話の中で少しずつすり合わせていけます。

そして、就職したあとも関係は続きます。

ちなみに過去には、就職した方がマルシェの出店情報を見て、ブースに遊びに来てくれたこともありました。

就職したら「じゃあ、あとは頑張ってね」ではなく、対話を重ねて、継続的にいい関係を作っていく。それがみらコラボのやり方です。

みらコラボの現場では

長田の事業所では、否定的な話ばかりしていた方から、だんだんと前向きな話が増えて、就職のことを前向きに考えられるようになったそうです。

徳島板野町の事業所では、最初は表情が暗かった方が、スタッフと根気よく話していくうちに明るくなり、自分の意見を言えるようになって、自分の人生にチャレンジできるようになっていきました。

社会に出ることを考えはじめるまでの道のりも、人それぞれ。スタッフは、その変化を隣で見守りながら、次の一歩を一緒に探しています。

もし就職してみて「やっぱり合わなかった」と感じたときも、大丈夫です。またB型に戻って通い直すこともできます。

一度で決まらなくてもいい。行ったり来たりしながらでも、その人に合う場所を一緒に探していけたらと思っています。

よくある質問

B型から、A型を経ずに就職することはできますか?

できます。B型・A型・一般就労は、順番に通らないといけないものではありません。みらコラボでこれまでに就職した18名も、全員がB型の事業所から直接就職しています。

今すぐ働くことを考えていなくても通えますか?

通えます。通える日を増やす、新しい作業を覚える。その一つひとつも大切なステップアップです。社会に出て働くことを考えたくなったときに、スタッフと一緒に動きはじめれば大丈夫です。

A型に進みたい場合も相談できますか?

もちろんです。雇用契約を結んで働くことに慣れていきたい方には、A型も良い選択肢です。みらコラボからA型へ進んだ方もいます。どの道が合っているか、一緒に考えましょう。

就職のサポートでは、どんなことをしてもらえますか?

スタッフと一緒に求人を探すところから、面接の練習、企業への同行、職場の見学や体験まで、一歩ずつ一緒に進めます。就職したあとも、定期的に連絡をとり続けます。

就職してうまくいかなかったら、B型に戻れますか?

戻れます。一度で決まらなくても大丈夫です。またB型に通いながら、次の場所を一緒に探していきましょう。

みらコラボがどんな場所なのか、通いはじめてからどう変わっていくのかは、「B型事業所に通う意味とは?」の記事でも詳しく紹介しています。

「自分にはどの道が合う?」から、相談してみませんか

みらコラボの見学・体験は、どの事業所でも受け付けています。働くことはまだ考えられなくても、まずは雰囲気を感じに来てください。

この記事を書いた人

みらコラボ運営チーム
みらコラボ運営チーム
みらコラボは、「みらいを創る、コラボする。」を合言葉に、一人ひとりの“できる”と“やってみたい”を大切にしながら、就労継続支援事業を運営しています。

沖縄から始まり、今は徳島、札幌にも拠点があります。現在は3県8拠点で、日々の支援の中で気づいたことや、実際によく聞かれる質問をもとに記事を書いています。制度や数字のお話は、厚生労働省や自治体の資料を確認しながらまとめています。

■運営法人:
ライフマップ株式会社(法人番号 4360001031384)/沖縄県那覇市字国場1188-7 ボヌールミオナ1F

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