B型事業所に通う意味とは?みらコラボが「居場所づくり」で終わらず「働く場所」と「社会参加」を目指す理由

『B型に通って、その先に何かつながるのかな…』

就労継続支援B型の事業所を調べていて、そんなふうに感じた方も中にはいらっしゃるかもしれません。なぜならニュースやネットでは、どうしてもB型事業所の良くない話や話題が先行してしまうからです。

  • ただその場所にいるだけ
  • 何のスキルアップにもならない

こんな意見を目にすれば、誰だって不安になりますよね。

でも、みらコラボとしてはっきりお伝えしておきたいことがあります。

それは一部の話であって、B型事業所のすべてが「何にもつながらない場所」ではないということ。少なくとも私たちの事業所は「その先」につなげるための場所だということです。みらコラボは安心して通えることも大切にしながら、目指しているのは「働く場所」「スキルアップの場所」を作ることです。

『週1日から始めたい』
『まずは家を出ることから』

こういった方ももちろん大歓迎。大切なことは、そこから一段ずつ階段を上っていくこと。そしてその道のりを、利用者さんと一緒に歩いていきたいと私たちは考えています。

記事内の数値は2026年10月時点のものです。
掲載している写真は、利用者さんのプライバシーに配慮して、お顔などを一部加工しています。

みらコラボはどんな場所ですか?

みらコラボの事業所は沖縄・徳島・北海道に、合計8箇所あります(B型が7箇所、A型が1箇所)。

B型の仕事というと、軽作業のイメージが強いかもしれません。『それで何か身につくの?』と感じるのも、自然なことだと思います。でも、みらコラボの事業所に入ってまず目に入るのは、パソコンに向かう利用者さんの姿です。データ入力、リサーチ、動画編集、SNSの運用、経理データの入力……。ChatGPTやCanvaも、仕事を進める道具として当たり前に使っています。

那覇市三原の事業所では、もともとパソコンにまったく興味がなかった方が、AIを使ってイラストを描くところから始めて、文字を入れ、表情や動きをいくつも作り、最後はLINEスタンプの販売まで一人でやり遂げました。できることが一つずつ増えて、最後は販売まで。まさに階段を一段ずつ上っていった例です。

みらコラボの事業所で、利用者さんがノートパソコンを使って作業している様子
事業所で仕事に取り組む利用者さんの様子

覚えたことが、次の仕事につながるスキルになる。ここが、みらコラボがいちばんこだわっているところです。

もちろん、軽作業やハンドメイドに打ち込んでいる方もいて、作品を道の駅やマルシェに出すこともあります。

2026年4月、ゆいレールのおもろまち駅で開いたマルシェには、国場本店から手編みのバッグやマクラメ、レジンの雑貨、イラストTシャツなどを出品。「かわいい」「これ手編みなの?」と足を止めるお客さまが次々に現れて、新作のトートバッグは、お披露目の日になんと完売。

同年7月には、那覇みらい支援学校で開かれた福祉サービス事業所の説明会にも参加しました。ブースで販売した、利用者さんのイラストをプリントしたオリジナルTシャツは、販売会の時間内で完売。会場では「かわいい」「これ、利用者さんが描いたんですか?」という声もいただきました。

自分の作ったものが、目の前で知らない誰かの手に渡っていく。その経験は、パソコンのスキルとはまた違う自信になります。

当日の様子は、おもろまち駅マルシェのレポートと那覇みらい支援学校の説明会のレポートでも紹介していますのでぜひご覧ください。

事業所の雰囲気について

事業所の雰囲気は、場所ごとにけっこう違います。

浦添経塚は、コーヒーの香りとカフェミュージックが流れる、カフェのような空間。徳島板野町は民家を使った事業所で、和室の個別スペースで落ち着いて作業できます。長田に並ぶのは、1人用のデスク。作業にぐっと集中できる環境です。

木目調のカウンターにパソコンが並ぶ、カフェのような雰囲気の事業所の室内
カフェのような空間の浦添経塚の事業所

札幌新川西は住宅街の一軒家で、にぎやかに作業できる1階と、静かに集中できる2階があったり、国場本店は利用者さんが作ったハンドメイド作品がずらりと並んでいて、ちょっとした雑貨屋さんのようです。

それぞれの事業所で個性があって、どの事業所も空間づくりに気を配っているのが伝わるはずです。

「安心」のためにみらコラボが行なっていること

みらコラボのB型事業所はどの事業所も昼食あり、送迎あり。

昼食は炊きたてのご飯を提供する事業所もあれば、週に1回の「手作りランチの日」を提供している事業所も。この手作り料理を楽しみにしている利用者さんもいます。また、休憩の頻度やタイミングも、しんどい日の早退や欠勤も気軽に相談しやすい環境づくりを意識した事業所作りを行なっています。

こうした「安心」は、みらコラボにとってゴールではなく、土台です。家でいえば基礎の部分。基礎がしっかりしているから、その上に一部屋ずつ建て増ししていける。

だから、居場所としての役割もちゃんと果たしながら、心の中では「社会に参加すること」を合言葉にしてほしい。それが、みらコラボの願いです。

『いきなり社会参加なんて言われても、プレッシャーになりそう…』

もしかしたら、プレッシャーを感じる方もいるかもしれません。ご家族の立場からすれば、『無理をさせられるんじゃないか』と心配になるのも当然だと思います。

だから先にお伝えしておくと、この合言葉は「心の中で」持っていてほしいもの。誰かに急かされて上る階段ではありません。上るペースも、どこまで上るかも、決めるのは利用者さん本人です。私たちはその隣で、次の一段を一緒に探す役目です。

「居場所」と「働く場所」、何が違う?

福祉の世界には、居場所づくりにとことん力を注いでいる事業所もあります。安心できる場所で好きなことに夢中になっているうちに、その人の個性が思いがけない形で花開く。そんな素敵な例もあって、それもひとつの大切な在り方だと思っています。

みらコラボが選んだのは、少し違う道です。

居場所を土台にして、その上に「仕事」という階段をかける。昨日はできなかったことが、今日はできた。その小さな「できた」を、利用者さんと一緒に喜び、先を見ていきたいんです。

『でも、働くってなるとハードルが高そう……』

しばらく働いていなかったり、体調に波があったりすると、なおさらそう感じますよね。でも、心配はいりません。イメージとしては自転車の練習に近いです。最初は後ろの荷台をしっかり支えてもらって、少し進めるようになったら、そっと手を離す。気づいたら、ひとりでこげるようになっている。みらコラボのスタッフがやっているのは、まさにその「支える役」です。

スタッフが利用者さんの隣に座り、パソコンの画面を一緒に見ながら作業を教えている様子
わからないところは、スタッフが隣で一緒に確認します

そして、「作業のための作業」はしません。データ入力も動画編集も、覚えたことが次の仕事につながるように、段階を踏んで少しずつ任せていきます。

みらコラボの現場では

「障がいの名前は、あくまで情報や個性の一つ。その人を見て、話をして、その人を知ることが重要」

事業所のスタッフが、支援でいちばん大事にしていることです。声のかけ方も支え方も、人によって変わっていい。ただ、「この人のステップアップのために」という思いだけは、どのスタッフも同じように持っています。

ステップアップはどこから始めてもいい?

もちろんです。

ステップアップは「社会参加や就職ができるか、できないか」の二択じゃありません。いくつも段のある階段なんです。

みらコラボのステップアップ

家を出るSTEP0
安心できる場所STEP1
通う日が増えるSTEP2
できる仕事が増えるSTEP3
次の場所へSTEP4

『自分はまだステップ0かも』

家を出ること自体が大変な日がある。そういう方も、決して少なくないと思います。でも、それで大丈夫です。「自分がどのステップにいるかわかっている」というのは、次に向かう方向がわかっているということ。ステップ0の方も、ステップ1の方も、みらコラボは大歓迎ですし、この段階の支えもこれからもっと厚くしていくつもりです。

それから、これだけは伝えたいことがあります。国の制度や医療の上で「障がいがある」と認められていても、ステップアップの道は、いつだって開いています。

通うことはあくまでスタートラインです。浦添経塚の事業所では「目標は毎日の通所。でも、最初は無理のないペースで」と伝えています。週1日が週2日になった。たった1日、と思うかもしれません。でも、それは通う日が倍になったということ。もう立派な一歩なんです。

みらコラボが「社会参加」にこだわる理由

少しだけ、大きな話をさせてください。

いま日本は人手不足が深刻で、外国人労働者は2025年10月末に約257万人と、過去最多になりました。

一方で、日本で障がいのある方は約1,150万人。そのうち企業で働いている方は約70万人です。重度の方や高齢の方、子どもを除いて、働ける方が約3割いると仮定すると、およそ345万人の力が、まだ十分に活かされていないことになります。

  • 外国人労働者:257万1,037人(2025年10月末・過去最多)
  • 障がいのある方の総数:約1,150万人
  • 企業で雇用されている障がいのある方:約70万人(2025年6月1日時点)
  • 働ける方を約3割と仮定した場合:約345万人
外国人労働者は約257万人、企業で働く障がいのある方は約70万人、働く力を持つと考えられる障がいのある方は約3割と仮定して約345万人であることを示す横棒グラフ

出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)/内閣府「令和7年版 障害者白書」/厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」。「約3割」はみらコラボによる仮定です。

この力が活かされたら、日本はもっと強くなれる。みらコラボは本気でそう信じています。だから、居場所としての役割も大切にしながら、利用者さんには心の端っこでもいいから「社会に参加する」を合言葉にしてほしいという思いがあります。

こう書くと、『じゃあ、働けない人には価値がないってこと?』と感じる方もいるかもしれません。もちろん、そういう意味ではありません。働くことだけが人の価値を決めるわけではありませんし、今は体調を整えることがいちばん大事な時期の方もいます。

みらコラボが伝えたいのは、「働きたい」「何かできるようになりたい」という気持ちを持っている方が、その気持ちをあきらめなくていい場所でありたい、ということです。

『社会参加』という言葉と、今の自分を比べると遠く感じてしまう人もきっといるはずです。重たく聞こえるのは、私たちもわかっています。でも、いきなり大きな階段を駆け上がる必要はないんですね。

ステップアップは0から1へ、1から2へ。一段上るたびに「できた」が増えて、その自信が心を少しずつ強くしてくれる。

利用者さんからも、そんな声が届いています。「自分で作ったものを家族や友達にプレゼントして、喜んでもらえたのがうれしい」(那覇市楚辺)。「家族にご飯をごちそうすることができた」(徳島板野町)。誰かのために何かができる。それも、階段を上った先にある景色のひとつです。

その一つ一つの自信が、また次の一段を上る力になる。この「自分が成長していく感覚」を、みらコラボは利用者さんと一緒に体験したいと思っています。

(※みらコラボの考え方は、ビジョンのページにもまとめています)

実際に、どんな変化が起きている?

各事業所のスタッフに聞いてみると、うれしい話がたくさん出てきました。いくつか紹介させてください。

実際にあった変化

那覇市三原の事業所に通うある方は、前の事業所では月に2回ほどしか通えなかったそうです。それが、みらコラボで動画編集の楽しさに出会ってから通う日がどんどん増えて、今では週2回以上になった。

札幌新川西の事業所では、在宅だけで利用していた方が、スタッフとの面談を何度か重ねるうちに不安が薄れて、今は通所がメインになりました。

浦添経塚の事業所には、最初はスタッフがつきっきりだった方も。通う日を少しずつ増やしながら作業を続けるうちに、ひとりでこなせるようになりました。ハンドメイドの作品を仕上げるスピードも、始めたころと比べて見違えるほど速くなったそうです。スタッフは「継続の力を痛感している」と話していました。

国場本店では、自分に自信が持てなかった方が、スタッフに肯定してもらううちに、少しずつ自分を認められるようになりました。通う日が増えて、みんなと作業する中で失敗する自分も許せるようになって。ある日、自分から「就職したい」と話してくれて、実際に就職に至るまでになりました。

那覇市楚辺の事業所では、ある利用者さんがこう話してくれたそうです。「初めて楽しいと思える気持ちになった。自分にもこんな感情を持つことができるんだ。みらコラボに来ることができて本当に幸せです」。ヒアリングの回答に、スタッフがこの言葉を書き残してくれていました。

明るい室内で、利用者さんがノートパソコンに向かって作業している様子
住宅街の一軒家で作業する札幌新川西の事業所

「次の場所」へ進んだ方もいます。

  • 一般就労(就職):これまでに18名
  • A型事業所への移行:これまでに6名
  • 就労移行支援への移行:これまでに1名

就職先は、市役所、販売、事務、飲食、工場作業、ドラッグストア、ホテル清掃など本当にさまざま。開所してまだ1年たっていない事業所は、これからが楽しみなところです。

『就職した人の話を聞くと、かえって焦っちゃう』という方もいるかもしれません。でも、ここに並んだ方たちも、最初から今の姿だったわけではありません。数字は「すごい人の話」ではなく、「階段の先にはこういう場所もある」という目印くらいに受け取ってもらえたらうれしいです。

※2026年10月時点の数値です。

どんな人がみらコラボに合う?

各事業所のスタッフに聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。

  • 「何かしたいけど、何からしたらいいかわからない方」(札幌新川西)
  • 「家から出て活力を養いたい方」(浦添経塚)
  • 「パソコンを使えるようになりたい方」(那覇市三原)
  • 「利用したい気持ちさえあれば、どんな方でも大丈夫です。本当に。」(国場本店)

国場本店の最後の「本当に。」に、スタッフの気持ちが全部こもっている気がします。

みらコラボのスタッフが笑顔で並んでいる集合写真
見学のときは、スタッフがご案内します

今はまだ、就職のことまで考えられなくても大丈夫。『何か変えたいな』という気持ちが少しでもあれば、それがもう最初の一段です。

よくある質問

今すぐ就職を考えられなくても通えますか?

通えます。ただ、みらコラボは「いずれは社会に出て働く」ことを見すえている事業所です。今すぐでなくても大丈夫。通える日を増やす、新しい作業を覚える。その一つひとつが、就職へ続く階段になります。どんなペースで上っていくかは、スタッフと一緒に決めていきましょう。

家から出るのが久しぶりでも大丈夫ですか?

大丈夫ですよ。B型の7事業所すべてに送迎があって、通う時間や頻度も相談できます。まずは見学で、事業所の雰囲気をのぞいてみてください。

通う日数は、増やさないといけませんか?

無理に増やす必要はありません。ただ、みらコラボでは少しずつ通える日を増やしていくことを、一つの目標にしています。浦添経塚の事業所でも「目標は毎日の通所。でも、最初は無理のないペースで」と伝えています。どのくらいのペースで増やしていくかは、スタッフと相談しながら一緒に決めていきます。

ノルマはありますか?

ありません。どの事業所でも、できる量から始めて大丈夫です。そのうえで、少し先の目標をスタッフと一緒に決めて、ひとつずつ進んでいきます。

パソコンを触ったことがなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。パソコンの基本から、スタッフがイチから一緒にやります。浦添経塚の事業所では、体験のときに「これならできそう」と感じる方がほとんどなんですよ。

まずは見学で、雰囲気を感じてみませんか?

みらコラボの見学・体験は、どの事業所でも受け付けています。『私でも大丈夫ですか?』そんな相談からでも大歓迎です。

この記事を書いた人

みらコラボ運営チーム
みらコラボ運営チーム
みらコラボは、「みらいを創る、コラボする。」を合言葉に、一人ひとりの“できる”と“やってみたい”を大切にしながら、就労継続支援事業を運営しています。

沖縄から始まり、今は徳島、札幌にも拠点があります。現在は3県8拠点で、日々の支援の中で気づいたことや、実際によく聞かれる質問をもとに記事を書いています。制度や数字のお話は、厚生労働省や自治体の資料を確認しながらまとめています。

■運営法人:
ライフマップ株式会社(法人番号 4360001031384)/沖縄県那覇市字国場1188-7 ボヌールミオナ1F

会社概要|事業所一覧|運営会社サイト