300年つづく壺屋焼窯元 育陶園さんの新店舗「壺屋のいりぐち」に、利用者さんの編んだシーサーが並びました|みらコラボ国場本店

【追記:2026年9月30日】「壺屋のいりぐち」の商品棚に、編みぐるみシーサーが並びました。店頭の様子を記事の最後に追加しています。
このたび、みらコラボ国場本店で利用者さんが制作している「編みぐるみシーサー」が、壺屋焼窯元 育陶園さんの新店舗「壺屋のいりぐち」で取り扱っていただけることになりました。
一目一目編み上げたシーサーが、300年の歴史をもつやちむんのまち・壺屋のお店に並ぶ。ずっと目標にしてきた「作品が商品になる」という一歩を、こんなかたちで迎えられたことを、私たちスタッフも心から嬉しく思っています。

壺屋やちむん通りの入口に立つ「壺屋のいりぐち」
「壺屋のいりぐち」は、壺屋焼窯元 育陶園さんが2025年10月にグランドオープンした6店舗目のお店です。場所は壺屋やちむん通りの入口、壺屋焼物博物館の向かい。育陶園さんのやちむんやシーサーを中心に、琉球ガラス、木工、紅型雑貨、沖縄の食材を活かした食品、コスメまで、沖縄の手仕事と暮らしにまつわるものが並んでいます。

育陶園さんは、300年前から壺屋の地に土地を賜り、代々やちむんをつくり続けてきた高江洲家が営む窯元です。1963年に高江洲育男さんが「高江洲製陶所」を設立、1988年には壺屋やちむん通りに本店を開設し、60年以上にわたって壺屋焼の技と文化を受け継いでこられました。
私たちが強く惹かれたのは、育陶園さんが掲げている考え方です。育陶園さんにとっての「ものづくり」とは、技術や技法の継承だけではなく、その土地の景色と営みを次の世代へ継いでいくこと。都市開発のなかで赤瓦の古民家や裏路地の緑が失われていく壺屋のまちで、お店をつくることそのものが「壺屋の景色をつなぐ」ための取り組みなのだそうです。
壺屋の景色、沖縄の景色をつなぐための“入り口”
壺屋焼窯元 育陶園「壺屋のいりぐち」より
そんな場所に、私たちの編みぐるみシーサーを置いていただけることになりました。

きっかけは、マルシェに並べていた1体でした
編みぐるみシーサーは、もともとマルシェなどで販売してきた人気商品です。カラフルな毛糸で編み、大きな目をつけた表情ゆたかなシーサーは、イベントのたびに手に取ってもらえる、国場本店の看板作品のひとつでした。
そのシーサーが育陶園さんの目に留まり、「壺屋のいりぐち」での販売が決まりました。

「マルシェの作品」から「お店に並ぶ商品」へ
とはいえ、そのまま並べればいい、という話ではありませんでした。
まずサンプルを制作し、育陶園さんと打ち合わせを重ねました。色の組み合わせ、大きさ、顔の表情。壺屋のお店の空気になじむシーサーとはどんなものか、一つずつすり合わせていきます。
新しい編み方を覚えた利用者さんもいます。目やヒゲといった細かなパーツは、これまで以上に時間をかけて仕上げました。仕上がったのは、マルシェで販売していたものとは一味違う、落ち着いた藍色のシーサーです。

同じ編み図で編んでも、まったく同じシーサーはできません。編み目の詰まり方、たてがみのボリューム、口元の角度。手が違えば表情が変わります。本当の意味で「世界にひとつだけ」しかありません。
納品の日
そして納品の日。ケースいっぱいのシーサーを、育陶園さんにお渡ししてきました。

一体ずつ袋詰めし、商品カードを添えて、店頭に並ぶかたちに整えて持ち込みました。この袋詰めの作業も、利用者さんが担当しています。


シーサーに込めたもの
商品には、こんな案内カードを添えています。

沖縄の守り神であるシーサーには、「災いを遠ざけ、幸せを招く」という願いが込められています。糸はコットン100%。一つひとつ表情が違う、世界にひとつだけのシーサーです。
みらコラボには、障がいや病気など、さまざまな理由で一般就労(フルタイムでの就職)が難しい方が、自分のペースで通っています。その日にできることも、得意なことも人それぞれです。だからこそ、作品づくりを通して「誰かに喜んでもらえること」「地域とつながること」を大切にしてきました。

「自分がつくったものが、誰かの手に届く」
一針一針に込められた利用者さんの頑張りが、商品としてお店に並ぶ。これは私たちスタッフにとっても、大きな喜びです。
自分がつくったものが、知らない誰かの手に渡り、その人の暮らしのなかに置かれる。この経験は、間違いなく自信につながります。そして「また頑張ろう」という、次の一歩につながっていきます。
「壺屋の景色をつなぐ」という育陶園さんの想いのそばに、「誰かに喜んでもらえること」を大切にしてきた私たちの手仕事を置いていただけたこと。この巡り合わせに、あらためて感謝しています。
これからも、利用者さん一人ひとりの「できた!」を大切にしながら、心を込めた作品づくりを続けていきます。壺屋にお立ち寄りの際は、ぜひお店で手に取ってみてください。
【2026年9月30日追記】やちむんのシーサーの隣で、店頭デビューしました
このたび、「壺屋のいりぐち」の商品棚に、国場本店の利用者さんが編んだシーサーが並びました。
置かれたのは、育陶園さんのやちむんのシーサーのすぐ隣。土のぬくもりを感じる焼き物のシーサーと、毛糸でふっくら編み上げた色とりどりのシーサーが、同じ棚に肩を並べています。


一体ずつ袋に入れて、シーサーに込めた願いを記した案内カードを添えています。
店頭の様子を確かめてきたのは、国場本店のスタッフ・比嘉さん。棚に並んだシーサーを、笑顔で指さしてくれました。

8月にお伝えした「作品が商品になる」という一歩が、こうして本当にお店の棚のかたちになりました。壺屋にお越しの際は、やちむんのシーサーの隣で待っている編みぐるみシーサーを、ぜひ探してみてください。
店舗情報

壺屋のいりぐち(tsuboya no iriguchi/壺屋焼窯元 育陶園)
住所:沖縄県那覇市壺屋1-8-2(壺屋焼物博物館前)
営業時間:10:00〜17:45
お問い合わせ:098-866-1635(育陶園本店)
駐車場:なし(斜め向かいに有料パーキングあり)
※編みぐるみシーサーは「壺屋のいりぐち」店頭でのお取り扱いです。数に限りがあり、売り切れの場合はご容赦ください。
シーサーをつくっているのは「みらコラボ国場本店」です
今回のシーサーを一体ずつ編み上げたのは、那覇市国場にある就労継続支援B型事業所「みらコラボ国場本店」の利用者さんたちです。
編みものが得意な方、細かなパーツづくりに集中できる方、袋詰めや検品を丁寧に仕上げてくれる方。ひとつの商品が店頭に並ぶまでには、それぞれの得意を持ち寄った何名もの手が関わっています。国場本店では、こうしたハンドメイドの制作のほか、パソコンを使ったデジタル作業、他に軽作業もあり、一人ひとりのペースと希望に合わせた仕事に取り組んでいます。
「手を動かす仕事がしたい」「自分のつくったものを誰かに届けてみたい」。そんな気持ちがある方は、ぜひ一度事業所をのぞきに来てください。見学やご相談は随時受け付けています。ご家族の方、支援機関の方からのお問い合わせも歓迎です。
この記事を書いた人

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みらコラボは、「みらいを創る、コラボする。」を合言葉に、一人ひとりの“できる”と“やってみたい”を大切にしながら、就労継続支援事業を運営しています。
沖縄から始まり、今は徳島、札幌にも拠点があります。現在は3県8拠点で、日々の支援の中で気づいたことや、実際によく聞かれる質問をもとに記事を書いています。制度や数字のお話は、厚生労働省や自治体の資料を確認しながらまとめています。
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